春の教育工学会 全国大会に参加しました

はじめに

データ活用システム開発セクションの田沼です。部署の名前の通り、データを活用した仕組みの開発や、その企画・検証などを担当しています。今年も日本教育工学会春の全国大会に参加してきました。

一般に、データを活用したアプリケーション開発では、適用領域のコンテキスト、つまりドメイン知識を身につけることが非常に重要だと考えています。私たちにとっては、教育という応用領域についても理解を深めておくべきだろう、という考えです。

そうした背景もあり、教育工学分野の潮流を広くインプットする機会として、継続的に日本教育工学会の全国大会に参加しています。もっとも、私個人としては1年ぶり2回目の参加です。

過去の教育工学会参加エントリ:

行ってみて

というわけで、2026年3月7日、8日の2日間、日本教育工学会 春の全国大会に参加してきました。会場は山梨大学甲府キャンパスです。発表件数は432件、参加者数は905名、並列セッションは最大20と、かなり大規模な大会でした。昨年の発表件数は覚えていないのですが、昨年の参加記事には「並列17セッション」と書いてあったので、今年はさらに規模が大きくなっていたのだと思います。

昨年も同じことを感じたのですが、この大会は参加者同士のコミュニケーションを促す工夫がかなりされている印象です。学生セッションでは、全員の発表後にパネルディスカッションのような形で学生同士が意見を交わす時間がありましたし、今年はオープニング直後にテーマ別交流会があり、いきなり参加者同士で話す時間が設けられていました。

学会なので、もちろんメインは教育の研究や実践に関する発表です。ただ、自主企画セッションという、科研費などの外部資金による研究成果の発信・普及を目的としたセッションもあります。個人的にはこの企画がわりと好きで、分野の潮流に沿ったテーマを扱いつつ、研究者それぞれの色が出た話を聞ける場だと感じています。

発表

以前のエントリでも同じことを書いているのですが、学会は自分も発表して「我々が何をやっているか」を明らかにした方がいっそう楽しい、会話がしやすいと個人的に思っています。そんなわけで今年は「オンライン通信制高等学校におけるWebベース実力考査の設計と運用」という題目で発表しました。

今年度からN高グループにおいて「定期テスト」が導入されました。N高グループ内における学力測定のような位置付けで、期間中に試験形式の教材に取り組んでもらうと、その結果やおすすめ復習教材を含むレポートが発行されるという仕組みです。こちらについて、おおむね以下のような話題を含む発表内容となっています。

  • 任意参加型の学力測定イベントとして進めた検証フェーズからの経緯
  • 高校カリキュラムに組み込むにあたっての取り組みや制度設計
  • 我々の運用しているデータ分析基盤やそのパイプライン含めた裏側の仕組み

特定の技術要素というよりは、ケーススタディ的な性質が強いかなと思います。

まだ仕組みを整えている段階ではあるものの、チーム内では、個々の開発・検証によって得られた要素技術について、社外発表を推奨しています。一方で私個人としては、施策や取り組みを起点に、「この施策にはどんな意義があるのか」「どこに課題や困難があったのか」といった点を振り返りアウトプットすることが多いです。社外発表は、そうした内容を整理し、言語化する機会にもなっていると感じます。

まとめ

今年も教育工学会春の全国大会に参加しました。教育工学という分野への注目が高まっているのはもちろんですが、近年は特に大規模言語モデルの登場もあり、その活用だけでなく、「学ぶこと」自体のあり方があらためて問われているように感じます。